店舗からのお知らせ
健康診断の見方と対策③
2021.09.19
ご覧いただきありがとうございます。
前回は「3.血液検査」でわかる「肝機能」と「脂質代謝」についてでした。
今回は、『糖代謝検査』、いわゆる「血糖値」~血の中に糖がどのくらいあるか~についてです。
.
ここで、皆さんが「糖」という言葉から連想されるのは、砂糖など甘いものだと思いますが、実は人は多くの糖質(でんぷん)をごはんやパン(炭水化物)などから摂取しています。
この糖質は消化されブドウ糖(グルコース)になり、血液中から全身の細胞に運ばれ、人にとってはエネルギー源となる最も重要な栄養素の一つです。
普通は、このブドウ糖の量を膵臓から出る「インスリン」などのホルモンがコントロールしていて、一定に保つのですが、肥満や内臓脂肪などによってこのインスリンなどの働きが低下することで、血液中にブドウ糖が増えすぎ、「高血糖」や「糖尿病」を発症します。
.
ただ「がん」や「脳卒中」「心臓病」などは死亡原因として誰しも怖いのに、単に糖が多いだけの「糖尿病」は直接の死亡原因じゃないために、なんとなく「まっ、いいか」的な感じになってしまいます。
でも、実はそこが一番怖いところで、血管内に増えすぎたブドウ糖は血管を痛め、死亡原因となる病気などを引き起こしてしまうのです。これが「合併症」と言われるものです。
高血糖や糖尿病は、決して甘く見てはいけないのです。
.
【糖代謝検査】
糖代謝検査の主な検査項目は、「血糖値」、「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」の2つです。
<検査項目>
.
〔血糖値〕
人は糖質をご飯などの食事でとるため、普通の人でも食後は血糖値が上昇します。そのため一般的には空腹時血糖値(食後10時間経過)を測ります。
この血糖値が100以上の状態が続くと「高血糖」となります。そしてこの高血糖が進むと糖尿病と診断されます。
逆に70以下になった場合の「低血糖」と言う症状もあり、動悸や震えがおき更に50未満になると、人の脳が唯一のエネルギー源とする糖質が不足し痙攣や昏睡に陥ることもあります。
.
〔HbA1c〕
「ヘモグロビン・エーワンシー」とは、簡単に言うと「過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖値」を表すもので、この数値が5.6以上になると、糖尿病予備軍または糖尿病と診断されます。
.
実際に糖尿病が引き起こす病気(合併症)は下記の図をご覧ください。
(NHK健康chより)
.
.
『三大合併症』と言われるものは
糖尿病網膜症:最悪場合、失明
糖尿病腎症:最悪場合、腎不全・透析
糖尿病神経障害:最悪の場合、 足の切断などです。
.
また『動脈硬化』を引き起こすことによって、脳梗塞・心筋梗塞なども発症します。
.
★その他にも、「がん」や「認知症」の発症率も高まります。
「がん」:肝臓がん(2.0倍)すい臓がん(1.9倍)大腸がんなど
「認知症」:アルツハイマー型(2.1倍)
.
※詳しくは、下記NHK「健康チャンネル」が分かり易いです。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_768.html
.
◎対策
何と言っても、健診結果で兆候が現れたら、医療機関に相談してください。早目の対策・治療が最も重要です。
対策としては、他の病気と同じく食生活や運動習慣など「生活習慣の改善」は必須です。
≪食生活の改善≫
➢肥満や内臓脂肪が原因とすれば、やはり食べ過ぎは厳禁で、カロリーや体重のコントロールが必要です。
➢食事は野菜から食べるようにしましょう。野菜に含まれる食物繊維が、糖質の吸収を抑え血糖値の上昇を緩やかにします。
➢菓子パンや総菜パンはエネルギー量(カロリー)が高くすぐ血糖値が上がるので、極力控えましょう。
➢サイダー、コーラ、フルーツ系炭酸飲料など甘い飲物も控えましょう。
※ペットボトル症候群についてはコチラ→水分補給について
➢「喫煙」は絶対にダメです。糖尿病自体の発症率を上げるばかりでなく、動脈硬化や腎臓病のリスクも高まります。
.
≪運動の習慣化≫
➢「有酸素運動」30分程度のウォーキングが有効です。血流が増え血糖値が低下します。
➢「筋トレ」によって筋肉が増え、インスリンの効果が高まり血糖値が低下します。 「筋トレ」は足や背中など大きい筋肉の筋トレ(スクワットなど)が良いとされています。
.
前回も含めて血液の話でしたが、血管に影響があると全身に影響が出ることをご理解頂けたと思います。
色々と対策などをお話ししていますが、一番の対策としてはまずはご自身の身体のこと(健診結果)を知ることだと思います。
そのお手伝いをこの記事やアクトスができたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
.
次回配信(9/26)は「その他の検査」です、X線検査など色々な検査についてお話いたします。
是非ご覧ください。
店舗SNSはこちら